犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 (朝日文庫)
太田匡彦
朝日新聞出版 (2013-07-05)
売り上げランキング: 12,245


私の実家は自営業だった。両親は店の売り上げに対してよくケンカをしていた。中学の頃に暉峻淑子の「豊かさとは何か」を読み、「お金」という価値観や日本の資本主義に違和感を感じるようになった。



今の日本の資本主義は、拝金主義のような一面を感じる。本来であれば、企業は経営理念に則って活動を行うべきだが、経営理念よりも利益を先に求めている企業は少なくない。

そんな日本の資本主義の歪みは、ペット業界にも大きな影響を与えているようだ。

ペットショップは利益を求めるあまりに、顧客にペットを飼うことの重要性や命の尊さよりも、ペットのかわいさやぬくもりを伝え、購入を勧める。そして、軽率な気持ちでペットを飼い始める。結果、飼い主となった顧客はペットへ飽き、現実に飼ってみた上でのギャップを感じ、引っ越しなどの突然のイベントによって、飼われていたペットは保健所に引き取られ、殺処分される。

ペットの成長より生命より売り上げを優先させ、商品としてのペットを扱い仕入れから販売までのサイクルを早めるペット業界、住民の暮らしやすさを優先するがゆえにペットを手軽に引き取り殺処分する自治体。そして、ペットをモノのように消費するヒト。

本書では他国との比較もされている。それからは日本の命に対するモラルが非常に低さを感じ、とても寂しく感じた。

ぜひ、ペットを飼っている人、飼おうとしている人、飼いたい人に読んでもらいたい。そして、人間としての驕りを捨て、対等な命としてペットと向かい合ってもらいたい。